ABOUT

GOODS

レザーを手にする時間

2023.09.08Leather,Bag


先日の雨を境に、時々秋の気配を感じさせるような時間があります。

日々の暑さにうんざりしていたにも関わらず、17時頃からの薄暗さに寂しさをも感じる矛盾した情緒。

「季節の移ろい」がこれから本格的に始まるのですね。

今週は、今年の夏の思い出に花咲かせながら古き時計を撮影する時間に。

やれたこと、持ち越したこと。振り返ってみて気づくこと多々。

この9月からまたあらためてスケジュールしようと、じっと腕元の時間を眺めたりしています。


ひとまず秋を装いを取り入れようと、手に取るのはレザーの品。

Tシャツのままで秋を楽しむために、シューズ、バッグ、時計のラインを少しずつ足算していきます。

先ずは細い黒のレザーラインを。まるでブレスレットのように。


セットするわずか22ミリほどの小さな時計は、オメガのレディマティック。

1950年代、女性のために製作された初めての自動巻モデルと言われています。

この一本、正面から見た時の凛とした顔がとても美しく、立体的なバーインデックスは視認性高く時間の確認がしやすいと思います。

60年経っているとは思えないほどケースコンディションが良く、綺麗な状態を保っているのはすごいことですね。


このモデルはこんな小さなケースにもかかわらず、30ミリ以上のメンズモデルとほぼ変わらないムーブメントのディテール。

パーツが細かくなればなるほど大変な精密機械なのに、今なお動き続けてくれるオメガクオリティには頭が下がります。


袖口から覗く細いラインはクラシカルな顔との相性が本当にいい。


バックル金具もオメガのオリジナルなのは、知る人だけが楽しめる秘めたポイントです。


OMEGA Ladys Seamaster 自動巻 22ミリケース アンティーク 

1965's Switzerland

¥159,500 (145,000)


メンズの腕にはダークブラウンのコードバンラインを。

18ミリのベルトは男らしさもありつつ、角の取れた優しさを感じるよう。

一年通して使える容姿をしていますが、シャツのカフやメリヤスのリブが重なったりすると、急に秋らしい大人しさをそれとなく作り出してくれるんですね。


それから顔はブリティッシュカルチャーを象徴するプロダクトのひとつ、人気のあるスミス。

高品質な機械式時計はもとより、自動車などの計器類の製造を行なっていたイギリスの名門時計メーカーです。


イギリスならではの9Kゴールドケースは、落ち着きのある輝きと控えめな表情を演出。

洋服を選ばず使用できるデザイン性は、この英国製の魅力のひとつ。


デラックス、このスモセコ(スモールセコンド)がやっぱり格好いい。


8ミリほどの厚みは腕に張り付くようにまとまり、前に出過ぎない、大きすぎず小さすぎずを形にしています。


この一本は、当時長く会社に勤めていたことを労う贈答品だったんですね。

私が昔父から譲り受けたGSの裏にも、そのような刻みがありました。

ここには45年間勤務の感謝が書かれています。

当時から大衆に受け入れられていた、英国のベーシックの証でも言えるでしょうね。


SMITHS DELUXE 手巻 30ミリケース アンティーク 

ENGLAND

¥184,800 (168,000)


次にパンツベルトはブライドルレザーの一本を。

暑い夏の時期はキャンバス生地の一本でシンプルでラフにいたいもの。

これからの時期はやっぱりレザーのラインでまとめることが、スタイリングの肝になっていくと思います。

夏の楽な紐ゴムのパンツはとりあえずお休み、本来の格好良さを作っていきます。


ヘラルディック(HERALDIC BELTS)は1990年イギリスのウースター州創業のレザーアクセサリーを生産する工房。

ウスターといえば中世から続く革産地であって、多くのタンナーや工房がある地。

私も一度旅の途中で訪れたことがある、それはとてとても田舎。

そんな土地で長く従事している馬具職人としての経験を生かして、レザー製品を生み出しているブランドなのです。


そもそもブライドルレザーとは、馬具用に作られた革のこと。

「ブライドル」は、馬の頭部に装着する「頭絡」と呼ばれる馬具を意味しています。

人と馬を繋ぐ手綱、人の体重を支えたりする馬具は、細長くスマートに見えますが強い負荷がかかるのは当然のこと。

もし切れてしまったら。。大変ですよね。

安全性を高めるために、厚みと強度を追求して今なお作り続けられているのがブライドルレザーということです。

人が馬に乗るようになったのは2000年も前のこと。

その原型が今もこうして形になっています。

ちなみにベルトの穴に刻印されているのは、もともと馬の鞍の位置を調整するための数字。

可愛いですね。


それからブライドルといえばこの白い粉のような油脂。

証のようなものですね。

使用するたびに味になっていくブライドルの魅力材であり、どんどんと落ち着いた表情へと育っていきます。


ロウビキ糸を使用したステッチはベルカルテの別注にて組み合わせていただきました。

このブラウンには緑が素敵に思います。


HERALDIC ブライドルレザーベルト 30ミリ

ENGLAND

¥15,180 (13,800)


女性にはこの20ミリが最適です。

HERALDIC ブライドルレザーベルト 20ミリ

ENGLAND

¥12,980 (11,800)


それからDリングタイプも。


ループを通すパンツスタイルも良いですが、チュニックへのウエストマークに素敵な一本です。


HERALDIC ブライドルレザーリングベルト 20ミリ

ENGLAND

¥15,180 (13,800)


そしてやっぱり秋は鞄。

今回おすすめなのは1920年頃製のオーストリッチレザー仕様のクラッチバックです。

古きバッグ、レザーアイテムの状態を保つのはとても難しく、本当に実用的な意味でいい状態で現世に残っている物は少なくなってきました。

このなんとも言えない、心地よく手に収まる一品。

最高に良い品物です。


ドレスコードによって持ち方を変えるハンドフラップ。


開閉はガマ口使用で見やすく。


長財布がギリギリ入るくらいの、” 今ちょうどいい ” 大きさ。

古いものを今当たり前に楽しむことができる、スペシャルなひとつですね。


オーストリッチレザークラッチバッグ  アンティーク 

1920'S GERMANY

¥25,000 (27,500)


最後に小物、キーケースもレザーの遊び心。


テハマナで長く扱ってきた半円形のキーケース。

初めて黒が加わってラインナップしました。

実用性と見た目の良さ。

鞄から取り出したときになんだか嬉しくなるような、そんな機能性と形をしています。

毎日使うものだからこそ、手に触れた分だけ愛情が現れるものを側に置いておきたい。

そう思えるような品であったらと思います。


真鍮コインのチャームの愛嬌。


ダークブラウンとブラックの2色を展開しています。


TAHA'AMANA レザー キーケース

JAPAN

¥6,000 (6,000)


これから日々落ち着いていく気温の中、増えていく美味しい食べ物と楽しみな行事の数々。

付き合うたびに自分だけの味になっていくレザーと一緒に、充実したスケジュールにしましょうね。

それでは。

katayama

category : Leather,Bag